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かれらはどのように戦争と出会ったのか。
わたしたちは知らないことをどのように語り継ぐのか。
体験のない人びとによる、体験のない人たちのための〈記憶の継承〉のかたち。
なぜ戦争をえがくのか
戦争を知らない表現者たちの歴史実践
大川史織 編著
映像、絵画、漫画、工芸、音楽、小説、写真、彫刻、演劇、研究……
歴史と記憶と表現をめぐる十の対話。
10組の表現者たち
逃れようのないものへの違和感や怒り
Koizumi Meiro
不在を、どこまで〈見る〉ことができるか
Suwa Atsushi
そこにいたであろう人を、みんな肯定したい
Takeda Kazuyoshi & Takamura Ryo
不時着と撤退戦/いつもどうしても含まれてしまうこと
Endo Kaori
ニーナたち、マリヤンたちの《コイシイワ》
Terao Saho
書くことでたどり着く、想像の外へ
Domon Ran & Yanashita Kyohei
いつも間に合っていないし、いつも間に合っている
Goto Haruki
失敗の歴史、破壊される瞬間と、眠ってしまう身体
Odawara Nodoka
四隻の船と、青森から航路をひらく
Hatazawa Seigo
特別な時間のおわりと、記憶をたどる旅のはじまり
Niwata Anju & Watanave Hidenori
編著者のことば(「はじめに」より)
◆歴史は過去のこと?
二〇〇六年、夏。わたしはポーランドのアウシュヴィッツ・ミュージアム唯一の日本人ガイド、中谷剛さんの語りに耳を傾けながら、「絶滅収容所」と呼ばれた場所を歩いていました。
当時、高校三年生だったわたしは、犠牲者の髪や遺留品、収容所棟のベッドやトイレを目の当たりにしながら、ここで起きたことが、自分が知らない六〇年前の出来事でよかったと、心のどこかで思っていました。
そんなわたしの心を読んだかのように、中谷さんは立ち止まり、こう問いかけました。
「この場所で起きたことが、過去のことだと思いますか?」
今思えば、この本がうまれたのは、この問いかけからはじまります。………
編著者のことば
バーチャルミュージアム
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