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「いただきます」の人類史 ヒトの誕生から生活習慣病の現代まで

蒼井倫子 著

46判並製・256頁前後
定価:本体2000円+税
ISBN:978-4-909710-28-4 C0040
2022年8月刊行
ジャンル:食育・生物・医療
装丁・ブックデザイン:森貝聡恵(アトリエ晴山舎)

​イラスト:なかいかおり

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わたしたちの身体は、食べものでできている。

食育を専門とする小児科医が、食べものと身体の関係を、宇宙と生物の誕生から説き起こす。
その壮大な物語は、わたしたちひとりひとりの身体に収斂していく。
わたしたちはどのようにしてこの身体になったのか。
いま、その身体はどのような危機に直面しているのか。

​わたしたちは、なにをどのように食べていけばいいのか。

内容紹介

単細胞生物が多細胞に変化しアミノ酸を外から確保し始めたときに、「いただきます」の歴史が始まりました……。

それから数億年が経ち、近い将来、大量生産と大量消費という食を取り巻く現在の構図は崩壊することが予想されています。それは私たちの健康どころか、命そのものを脅かします。

食育を専門とする小児科医が、細胞や栄養素というミクロな世界から、いま人類を覆っている飽食と飢えの格差・生活習慣病・偏食といった大きな視点まで、ごはんと人の歴史をめぐる。

目 次

第一章 進化の中の私たち〜地球の、生命の、いただきますの始まり
序 体の中の星屑
何もなかった宇宙
生命の材料
生命の境界線
光合成の始まり
体の中の発電所
単細胞から多細胞生物へ
「いただきます」の始まり
赤ちゃんはお腹の中で進化を辿る
体の中の博物館
コラム:あらゆる生き物は、鉄を必要とする


第二章 地球の中の私たち〜太陽の光と植物、動物、微生物
序 戦う植物
植物が彩る世界
物言わぬ植物は、化学物質に物を言わせる
植物は動物のオスをメスに変える
動物たちの〝流用〟技術
ヒトという雑食の霊長類
ヒトの色覚はなぜ復活したか
苦労の絶えない偏食動物
ヒトという雑食の霊長類
パンダは笹を消化できない
肉食だった私たち
大切なヒトの虫垂
腸内細菌の受け渡し方
母乳は誰のもの?
腸内細菌と共に作り上げてきた防衛戦略
暴走する免疫
ビタミンDという司令官
ビタミンDとビタミンAの新人訓練
ビタミンAの役割
ビタミンD不足
コラム:人類は飛ぶ準備をしているのか?
セキュリティシステムとしての味覚受容体
病原体を感知する苦味受容体
互換性のある三大栄養素
体の中の山手線
互換性のない必須脂肪酸
食べ物から体へ
「栄養のバランス」の奥深さ
食べ物が遺伝子を動かす


第三章 世界の中の私たち 高度な知性の行方 〜近代化の功罪
序 旅する人類
肥満の流行
赤ちゃんの出生体重が減っていく日本
現代人の食べ物
砂糖中毒の人類
コレステロールは悪者か
コラム:魅惑のチョコレート
食べ物ではない食べ物
香料の威力
添加物という化学物質のカクテル
健康を謳う不健康な食品?
生活習慣病の家畜
腐ったクローバーとビタミンK
洗脳されやすい日本人
消費者の力は最後の望み
飽食の人類、飢える腸内細菌
減り続ける食物繊維
コラム:腸内細菌に絶滅の危機
増えるアレルギー
腸内細菌の黄金期
腸内細菌を治療する時代へ
サプリメントは効果がないどころか有害?
あらゆるものは毒となる


第四章 日本の中の私たち〜命を支える食文化
序 迷子の人類
料理の始まり:類人猿とヒトを分けるもの
食べ物とヒトの共進化
食べ物と腸内細菌の共進化
日本の食文化の始まり
日本発信の「UMAMI」
腸内細菌と同盟を結ぶ発酵菌
コラム:ただならぬカビ
〝生きて〟腸まで届く
納豆というスーパーフード
いちばんたいせつなものは、目に見えない
食経験こそ最大の科学的根拠
風土との調和
料理を手放す人類


まとめ


おわりに

編者プロフィール

蒼井倫子(あおい・りんこ)
小児科医。兵庫県出身。奈良県立医科大学卒業後、大学病院、基幹病院にて研修、勤務後、臨床栄養学講師を経て、現在はクリニック、保育園にて乳幼児検診の栄養指導、肥満、偏食、便秘、食物アレルギーなど医療の現場で山積する食の問題と向き合っている。

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