夜の間に発熱もなく、お腹は重たいが、まずまず順調な朝。
いつもどおり9時30分に看護師さんが来てくださる。
毎週日曜日はシャワー浴の日。点滴の針を外してもらい、シャワーを浴びる。
とても嬉しく、気持ちがいい。
昼までうとうとと過ごす。
沢木耕太郎のエッセイ集『銀河を渡る』から数編ずつを読んでいく。
「何事においても、予期せぬ何かが起きたとき、それを柔軟に受け止めることのできる自分を作る必要があるような気がする」
↑感銘を受けた一節だが、こうして引用してみると、非常に平凡な文章でびっくりする。
やはり部分的に引用するのではなく、前後の文脈まで含めて読んでこそ、エッセイは価値がある。
昼過ぎに、義父母、義妹夫婦が訪ねてきてくれる。
6人と1匹で賑やか。
みんな好きなことを喋っているようでおかしい。
僕がいなくなった後で、義弟あたりが原動力になって、僕の妻を慰めるために、5人と1匹でちょっとした旅行に行ったりするのかもしれない。そのとき、妻は泣くだろうか。
そんなことを想像して、賑やかななかでも少し寂しくなる。
山田南平先生が、「いかアサの続刊」と題して、みずき書林と僕のことについても触れてくださっている。
何というか、ありがたくてことばが上手く出てこない。
同じ出版業界とはいえ、みずき書林というお堅いひとり出版社と「少女漫画」という分野は縁遠いだろう。普通にやっていれば、みずき書林と少女漫画の世界で生きる著者が交わることはなかったはずだ。
そのジャンルの人と交流できるだけでも稀有なことなのに、それが山田南平先生という優しさと良識を兼ね備えたパーソナリティ・作風を持った方だったことは、ほんとうに僥倖だったと思う。
お腹はずっと重たいが、どうやら今日は吐かずに乗り切れそうな感じ。
寝る準備をして本でも読もう。
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