今週発売の「週刊読書人」に
沖田瑞穂先生『マハーバーラタ、聖性と戦闘と豊穣』
の評がでました。
評者は江川純一氏。
「学術的に高度な内容ながら、読み易い」
「全体的視点を有した専門家ならではの考察」
デュメジルの系譜の中に著者を位置づけ、人文書の面白さは人間の営みの面白さであると評する、とても丁寧で嬉しい記事です。
ところで、日本の書評って、あまりボロカスに書くことはありません。
「8割褒めて、2割で注文をつける」というくらいの穏当な姿勢が、日本における書評の平均的な温度感といってもいいでしょう。
そしてだからこそ、この2割の部分は、場合によってはけっこう舌鋒鋭いことにもなりえます。
なので好意的な評価をいただいた後、
「最後に、書きにくいことではあるが、やはり触れないわけにはいかないだろう」
という一節を読んだときには、辛口評キタ――(゚∀゚)――!!メンタルをやられないように覚悟セヨ。と思ったのですが。
なんと、
「本書は実に丁寧に作られている。この内容でこの価格は見事である。版元にも拍手を送りたい」
……握りこぶしを振り上げられたので怒られるのかと思って身構えたら、握った手の中から甘いおやつが出てきたときの仔犬のような。
ぜんぜん、「書きにくいこと」ではないですー。ありがとうございます!
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