以下、なんだかパッとしない話ですが。
みずき書林はこれからも続けていくつもりですが、もしこれから先、存続させることができなくなったときのことも考えておかないといけません。
実は、継続性については、ひとり乃至小規模出版の最大の弱点であり、まだ歴史の浅い小規模出版の世界では、ノウハウが確立されていない問題でもあります。
つまり、ひとりや少人数でやり続けた場合、その人(たち)がいなくなった場合に出版社はどうなるのか? ということです。
いま考えるに、出版社がなくなるとして、問題は以下の点と思われます。
1.それまでの刊行書籍はどうなるのか? もう買えなくなるのか。
2.その時点で進行中の企画はどうなるのか?
3.ウェブサイトやSNSはどうするのか?
4.会社の負債はどうなるのか?
大きく分けて、問題は上記4点ではないでしょうか。
このうち、4はいわば内部的な問題です。
これについては、コロナ華やかなりしころに(願わくば二度と深刻化しませんよう)特別融資を受けたことがあります。
これは書き始めると長すぎ&面白すぎなので略しますが、要するに問題は解決しているとだけ記しておきます。
もし小社がなくなるというなら、融資額(借金)もなくなることは確認済みです。
よってこの点はひとまず措きます。
(詳しく知りたい人は個別に問い合わせください。ここには書けない(笑))
1~3は内部をどう整理するかという課題でもあると同時に、外部的な問題でもあります。
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1は絶対に何とかしたい。
会社がなくなって、それまでの既刊が入手できなくなる、ということになるのは避けたい。
これについては、まだ正式にはオファーしていないことですが、腹案があります。
つまり、知り合いの版元に、在庫を無償で譲渡するという方法を考えています。
ISBNを付与し直す(=カバー・奥付の掛け換え乃至はシール対応)などの事務手続きは必要になりますが、できればこのかたちで考えてみたいと思っています。
もちろん、組版データや電子版データも付随して譲渡します。
流通上のことは、小社はトランスビューと八木書店さんでの扱いのみなので、話はすんなり通せる見込みはあります。きっと両社とも了解してくださるはずです。
小社の書籍は増刷率も高いし、比較的コツコツと売れる本も多いですよ(笑)。
同志の版元さん、いまからでも相談可能ですので、我こそはというところは先行してご相談できれば(笑)。
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2の進行中の企画についても、同じかたちを考えています。
出版は、ある程度中長期的な仕事です。
しかかりの仕事がまったくない状態でクローズするわけにはいかないと思われます。
どうしても、立つ鳥跡を濁さざるを得ず、というケースが想定されるでしょう。
その際の企画も、原稿・組版・装丁データなどその時点での最新版を、無償で知り合いの版元に譲渡することを考えています。
小社は小規模出版なので、しかかりの仕事が山のように残るということはないはずです。多くてもせいぜい実動数5~6件といったあたりを想定しています。
これについてはすでに知り合いの版元さんいくつかに話をしているケースもあります。
いきなり3つも4つも渡されると辛いでしょうが(笑)、ひとつふたつずつくらいなら、みなさん快く引き受けてくださりそうです。
その節はお願いしますね。
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3のウェブサイトやSNSについて。
FacebookやTwitterはIDとパスワードさえ親しい人に伝えておいて、おいおい削除してもらえれば問題ないでしょう。
問題はウェブサイトですね。
サイトは維持しておくだけで、毎月お金がかかります。
もちろん大した額ではないのですが、それでも負担は負担です。
これもアカウントを伝えておいて、どこかのタイミングでクローズするしかないでしょう。
ちょっとだけ惜しいのは、このブログでしょうか。
その段階でどれくらいの回数になっているかわかりませんが、本エントリーで908件と、けっこうな数になっています。
これがぜんぶ消えてしまうのは、なんとなく惜しい。
別途原稿データがあるわけではないので、このブログ記事全体をまとめてダウンロードするような方法があれば、方法的にも気持ち的にも楽なのですが……。
まあ、別に僕が気にするようなことではないのかもしれませんが、しかしせっかくこつこつ書いたものが雲散するのも何だかもったいない気がしてしまうのも人情です。
霧消するまえに、なんとか全部サルベージしておく方法を考えないと。
以上、あまり心地よい話ではありませんが、いまの心づもりを残しておきます。
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