今週末の『沖縄タイムス』に、野入直美先生の
に書評が掲載されました。
評者は南風原朝和先生。
「沖縄をめぐる人の移動とネットワークを研究する社会学者である著者と、奄美をルーツとし、満州・奄美・沖縄・東京を移動しながらさまざまな人のネットワークを構築した実業家・重田辰弥氏の出会いから生まれたユニークな学術書であり、同時にわくわくする読み物である」
「そのバイタリティーと「資産形成の欲が薄い」ことを自認する不思議な魅力が共存する重田氏と、優れた研究者との稀有なコラボ」
やっぱり、人と人の出会いが面白い。
この本については、野入先生と重田さんの出会いがすべての始まりであり、その出会いが聞き取りになり、研究になり、本になり……と展開していくのが、傍で見ていて実に面白いのです。
「ユニークな学術書であり、同時にわくわくする読み物」と評していただけたことは、我が意を得たりというか、とても嬉しいことです。
いわゆる研究書・学術書にカテゴライズされる本であっても、いま必要とされているのは――すくなくとも僕が面白いと感じるのは――このような人と人との出会いを元にした血肉の通った充実であり、それがもたらす一種の逸脱だと思っています。
大川史織さんと佐藤勉さんの出会いにより、『マーシャル、父の戦場』はあのような多彩で濃い本になりました。
小宮・岡本両編者の望んだかたちは、山田南平先生との出会いによって想像以上のものになりました。
『近頃なぜか岡本喜八』という評論は、喜八監督の娘・真実さんと出会うことで、内容・ビジュアルともに、いっそう充実したものになりました。
今回の野入先生と重田さんの出会いによって生まれた本書も、異質なもの同士が出会って心を通わせあうプロセスが描かれていて、そこに「学術本」というものの本来的な面白さがあると思っています。
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