大川史織さんが奨励賞を受賞されました。
『タリナイ』プロデューサー藤岡みなみさん、金曜調査会・アジ歴から斉藤さん・福江さん・矢久保さん、日記研究の田中さん、大川さんのお母様、勉さんのご親戚などいらっしゃっていて、さながらファンの集い。
(昨年アップリンクでしばしばお見かけしてSNSでもずっと応援されている方にもお会いしましたが、このような場で会遇するとは思っておらず、当然お持ちの本を、ついお勧めしてしまいました……)
受賞のスピーチで大川さんが喋りはじめます。
最初だけかすかに声が震えます。その声を聞いた瞬間に胸が詰まって、なぜか少しだけ泣きそうになりました。
昨年の今頃は、本はまだまだ編集中で影も形もなく、映画も公開は決まっていませんでした。
かつてあなたは、マーシャルのことを忘れ去ってしまっている状況に対する、自分自身へのものも含めた〈怒り〉があると言っていました。
そういう感情を抱きながらある対象を知りたいと思い、伝えたいと願うことは、昨晩登壇していた人たちと共通する、ジャーナリスティックな姿勢だと思います。
ただその〈怒り〉をさらに掘り下げていくと、おそらくあなたの場合は、一番底の底には、対象への愛情があります。
昨夜のシンポジウムを聴いていて、ジャーナリストの場合は、たぶん底の底には正義感があるのだと感じました。
昨夜あなたは「自分をジャーナリストだと思ったことはありません」と明言していました。
〈怒り〉の根本に、どのようなバランスで正義感と愛があるか。
あなたの利他性は多く愛情に根ざしていると、あらためて感じた日でした。
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