『旧日本軍朝鮮半島出身軍人・軍属死者名簿』の編著者、菊池英昭さんとお目にかかりました。
『マーシャル、父の戦場』を読んでいただき、著書内のウォッチェ関連の名簿のコピーを、小社を介して大川さんにお送りいただいたのがご縁でした。
同書は、B5判約1400頁という大著。
2万2000名近くの、朝鮮半島出身の軍人・軍属の死者名簿です。
陸軍篇と海軍篇にわかれて、それぞれに出身地別にまとめられています。
掲載されている情報は、
創氏名・姓名、親権者、親権者との関係、原簿番号、所属、死亡場所、死亡事由、死亡年月日、生年月日、階級、死亡区分、本籍地、親権者住所
ひとりにつきこれだけの情報が、巻末の解説などを除いた1200頁超にわたってまとめられています。
これだけのことを、入力まで含めて、菊池さんはほとんどひとりで行いました。
出版まで、20年もの歳月を要しています。
凄まじい労力の源は何だったのか。
菊池さんは「供養だと思った」とおっしゃいました。
肌寒いけれど気持ちよく晴れた午後。
立川駅からバスで20分ほどのところにある団地群。
平日の昼間だから、ひどく静かです。
都市郊外の典型的な住宅風景。
そんなありふれた風景のなかの一室に、営々と戦死者の名前を打ち込み続けた人が暮らしていました。
団地の9階からは、米軍基地が遠くに見えました。
高齢の菊池さんを気遣ってでしょうか、お話をうかがっている途中で、団地の同じ棟に住んでいるとおぼしき近所の方が訪ねてこられました。
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