本日(3/30)の朝日新聞に、
「エンドロール 映画人 岡田祐介」の5回目が載っており、早坂暁先生とのエピソードが紹介されています。
早坂先生は伝説的な遅筆で有名ですが、この記事でも、
「ある時、脚本を取り立てに行った人が『先生、今回は本当に間に合いません』と脅したら、暁さん、『じゃあ、書いてもしょうがないね』と悠然と答えたんだって」
という「遅坂さん」のエピソードとともに、一転して、3時間で脚本を書き上げたエピソードも披露されています。
もし早坂先生の現役時代にSNSがあったら、
「ロケ現場に来たけど、脚本できてない。。。 #早坂暁」
「間に合わないって言ったら「じゃあ、書いてもしょうがないね」って言われた。。。 #早坂暁」
「嘘だろ。3時間で原稿上がってきた。 #早坂暁 #遅坂先生」
みたいなスタッフのつぶやきがあふれたことでしょうね。
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前職で早坂先生の本を出すことになって、吉永小百合さんに推薦文をいただいたことがあります。
繰り返しますが、あの吉永小百合さんです。
いただいだ原稿を読むと、
「撮影現場で待っていると、先生の手書きの脚本がFAXで一枚ずつ送られてきます。その温かみのある文字を拝見すると……」
みたいなことが、さらっと書かれていました。
さも先生のお人柄を伝える温かいエピソードみたいに書かれていましたが、現場に1枚ずつFAXで脚本が送られてくる状況ってどうよ。
いうまでもなく、吉永さんの背後には、何十人もの役者やスタッフが準備を整えて待機していたと思われます。
その全員がなすすべもなく、ピ~とか呑気な音を出しながら1枚ずつ紙を吐き出すFAXを眺めている、というのは、考えるだにおそろしく、また思わず笑ってしまう想像です。
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